「脅威」

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建設会社の入口は金属製のゴミ箱で塞がれた。 「父さん!!」 秀悟が叫ぶ。 「行け!!こいつは俺がどうにかする…黎子を頼む」 父は鎖が切れた鎌を右手に、左手に日本刀を構える。 「けど…」 春菜はためらう。 「…行こう。春菜、親父さんは覚悟を決めたんだ」 すると、ガレージから声がする。 「空いたぞ!急げ!」 智也が叫ぶ。 「…どうか気をつけて」 春菜が黎子の父に呟く。 「…」 黎子の父は無言で頷いた。 島建設 ガレージ 「嵐川さんは?」 「…怪物を足止めすべく一人で。先に行けと」 秀悟が呟く。 「…分かった。嵐川さんなら…大丈夫」 三人は裏口を開けて、隣家の庭へ移った。
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