「脅威」

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「パーン!」 黎子の背後のゾンビは頭を撃ち抜かれて倒れる。 「…秀悟!」 黎子が起き上がると拳銃を持った秀悟が立っていた。 「間に合ったか」 秀悟が駆けつける。 「あぁ…助かったよ。けど、華江が…」 秀悟か魔華江の方を向くと、肩に傷を負った華江が弥彦に抱えられて横になっていた。 「華江!これって…」 それを見た春菜が思わず駆け出す。 「…春菜さん。ごめんなさい。無理して戦ってみたんですけど油断しちゃいました」 「…そんなことって」 春菜は今にも泣き出しそうな表情で呟く。 すると、智也が何かを見つける。  「なぁ、このゾンビの口から何かが転がってるぞ?」 頭部に刺し傷があるゾンビの死体を指さす。 「社長!こんなときになにしてるんだよ!」 弥彦が叫ぶ。 「…もしかして、華江さんはこのゾンビに噛まれたんじゃないか?」 「確かにそいつは俺が倒した…だから、なんだってんですか!?」 弥彦が思わず叫ぶ。 それに対して冷静に口を開く智也。 「…華江はゾンビにならないかもしれない」
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