「脅威」

13/17
前へ
/365ページ
次へ
「そういえば、さっきから見かけない」 弥彦も気がつく。 「…実は」 秀悟は一連の出来事をみなに話す。 帰り道に怪物に襲われたこと。自分たちではとても敵うような相手ではなかったこと。 それでも、社長や俺等を逃がすために単身囮となって、その怪物に立ち向かったということを。 「そうだったのか…」 弥彦が下をうつむく。 「…黎子さん」 華江が黎子に声をかける。 「急ごう。鍵は手に入ったんだ」 黎子は立ち上がる。 「あぁ、急ごう。黎子の親父さんを助けよう」 「もちろんだぜ!」 「嵐川さんは俺等を逃がすために残った。今度は俺等が助けないとな」 一同は気を改めて、建設会社に向かった。
/365ページ

最初のコメントを投稿しよう!

107人が本棚に入れています
本棚に追加