「再会 part1 」

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午後13時10分 車内 「これが市街地…」 秀悟達が見たのは変わり果てた市街地であった。あちこちに車が事故を起こしていたり、米を積んだ軽トラから米が道に溢れていたりした。 そして、所々でこちらにフラフラと向かってくるゾンビ。 「まるで地獄だぜ…」 弥彦が呟く。 「ホントだ。この有り様だ。生存者はいないに等しい気がする」 黎子がぼそりと呟く。 「いや、そうとは言い切れない。この町は猟師の町でもある。もしかしたら、猟銃などを用いて上手くゾンビから逃げ出した人もいるかもしれない…」 智也が返す。 「だといいんですけど…」 華江もあまり期待はしてないようだ。 「秀悟!あれ!」 春菜が指差す先にはハンバーガーショップがあった。 個人経営の店だが安くて美味しいため普段は学生で賑わっているが、今はゾンビが徘徊しているだけだった。 「やれやれ…もうあそこのハンバーガーが食べられないのは残念だ」 嘆く秀悟。すると智也が呟く。 「もうすぐ到着するぞ。みんな支度をしてくれ」 フロントには100メートルほど先に「スーパー ムカイ」と表示されている看板が映っていた。
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