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午後3時30分
町役場
「どうしてこうなったのだ!おのれ…」
町長の伊達香山。普段は温厚な町長だが今は違った。
「町長!演習中の自衛隊の方がお見えです」
秘書らしき男が自衛隊隊員らしき男を町長室へ通す。
「どうだ。取引通り脱出の手立てはとったか?」
「ハッ!もうすぐ町役場前にヘリが来ます」
「うむ。私は町長だ。上の者は何としても生き残る義務があるからな」
「しかし、町長!まだ町には多くの住民が…」
「は?そんなの知らんがな…いいか?権力者は常に優先的に生き残ることが望まれる。そんなに助けたいならお前がどうにかしろ!私は脱出する!」
「しかし…」
秘書の男が説得しようとするも。
「ええい!煩わしい…行くぞ」
伊達と自衛隊隊員は先に町長室を後にした。
「こんなの…許せるわけ…」
怒りを震わせる秘書。ネームプレートには「室山」と書いてあった。
だが、誰も気がつかなかった。自衛隊員の右腕には噛み傷があることを。
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