107人が本棚に入れています
本棚に追加
「町長、さぁどうぞ」
自衛隊隊員がヘリの中へと案内する。
「うむ…」
悠々とヘリのシートに座る伊達。
「離陸します!」
パイロットが言った途端。
「お願いします!私も乗せていってください!」
「ゾンビに追われてるんじゃよ…」
「町長!助けて!」
下から助けを求める住人が叫んでいた。
「どうします?」
自衛隊隊員は伊達に尋ねるが。
「構わん…放っておけ…」
「し、しかし…」
「やむを得ない犠牲だよ。犠牲。これで美味いものでも食べろ」
そう言うと、懐から札束を自衛隊隊員へ渡す。
「…分かりました」
隊員は札束を受けとる。
「パイロット。お前にも後で褒美をくれてやる。奴等のことは無視しろ。いいな?」
「…承知しました」
ヘリは上空へとゆっくり上昇していった。
「そんな…町長」
「…ちくしょぉぉぉぉぉ!」
叫んでいた住民は力なく地面へただれる。
そして、数分後には歩く屍の中にいたのだ。
最初のコメントを投稿しよう!