「覚醒」

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「町長、さぁどうぞ」 自衛隊隊員がヘリの中へと案内する。 「うむ…」 悠々とヘリのシートに座る伊達。 「離陸します!」 パイロットが言った途端。 「お願いします!私も乗せていってください!」 「ゾンビに追われてるんじゃよ…」 「町長!助けて!」 下から助けを求める住人が叫んでいた。 「どうします?」 自衛隊隊員は伊達に尋ねるが。 「構わん…放っておけ…」 「し、しかし…」 「やむを得ない犠牲だよ。犠牲。これで美味いものでも食べろ」 そう言うと、懐から札束を自衛隊隊員へ渡す。 「…分かりました」 隊員は札束を受けとる。 「パイロット。お前にも後で褒美をくれてやる。奴等のことは無視しろ。いいな?」 「…承知しました」 ヘリは上空へとゆっくり上昇していった。 「そんな…町長」 「…ちくしょぉぉぉぉぉ!」 叫んでいた住民は力なく地面へただれる。 そして、数分後には歩く屍の中にいたのだ。
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