107人が本棚に入れています
本棚に追加
民間 庭
「これで、分かるかな…」
七海がしゃがんで、炎を調整している。庭には枯葉や枝を積み上げ、火をつけている。簡易の狼煙だ。
「分かるよ!こんだけ、高く舞い上がってるんだし」
吉川が嬉しそうに呟く。
すると、車の音が聞こえる。
「お!来ましたね…僕の読み通り」
宮腰が眼鏡を上にクイっと上げる。
そして、民家の前に1台の軍用ジープが止まる。
そして、中からガスマスクをつけた男が降りてくる。
「いやぁ、助かりました。ゾンビが町に溢れかえっ…ガハッ!」
近づいた宮腰は鳩尾を男に殴られ、気絶してしまう。
「ひっ!?」
びびる吉川。
「…おい!おめぇ、なにしてんだよ!」
矢崎が殴りかかるが。
「…」
無言で回避し、逆に急所を拳で強打する。
「ぐっ…くそ…」
一発の殴りなのにやけに重たく感じ、矢崎は動けなくなった。
「や、矢崎…」
「…」
怯える七海をよそに男はポーチから何かを取り出す。そして、ピンを引き抜き、投げる。
次の瞬間、気絶するような音波が周囲を襲う。
そして、吉川と七海が無言で倒れる。
さらに、意識が残ってた矢崎にも強烈な耳鳴りが響く。
「グッ…ち、ちくしょう」
そして、ついに力尽き気を失った。
最初のコメントを投稿しよう!