「監獄」

5/22
前へ
/365ページ
次へ
民間 庭 「これで、分かるかな…」 七海がしゃがんで、炎を調整している。庭には枯葉や枝を積み上げ、火をつけている。簡易の狼煙だ。 「分かるよ!こんだけ、高く舞い上がってるんだし」 吉川が嬉しそうに呟く。 すると、車の音が聞こえる。 「お!来ましたね…僕の読み通り」 宮腰が眼鏡を上にクイっと上げる。 そして、民家の前に1台の軍用ジープが止まる。 そして、中からガスマスクをつけた男が降りてくる。 「いやぁ、助かりました。ゾンビが町に溢れかえっ…ガハッ!」 近づいた宮腰は鳩尾を男に殴られ、気絶してしまう。 「ひっ!?」 びびる吉川。 「…おい!おめぇ、なにしてんだよ!」 矢崎が殴りかかるが。 「…」 無言で回避し、逆に急所を拳で強打する。 「ぐっ…くそ…」 一発の殴りなのにやけに重たく感じ、矢崎は動けなくなった。 「や、矢崎…」 「…」 怯える七海をよそに男はポーチから何かを取り出す。そして、ピンを引き抜き、投げる。 次の瞬間、気絶するような音波が周囲を襲う。 そして、吉川と七海が無言で倒れる。 さらに、意識が残ってた矢崎にも強烈な耳鳴りが響く。 「グッ…ち、ちくしょう」 そして、ついに力尽き気を失った。
/365ページ

最初のコメントを投稿しよう!

107人が本棚に入れています
本棚に追加