「監獄」

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牢獄 「どうすんですか…この格子を外さないと外には出られませんよ」 手錠は外れたが立ち往生している二人。 「別に格子を開ける必要ないんじゃないか…」 そういう。矢崎は何故か床を叩いている。 「何してんすか!?」 思わずツッコミを入れる吉川。 「ほら、映画とかじゃこういう所にさ抜け道があんじゃん」 「いや、これは映画なんかじゃないですから!」 再びツッコミを入れる。 「黙ってキチガイ野郎の餌食になるよりはマシだろ?お前もやれよ」 「分かりましたよ…」 しぶしぶ付き合う吉川。 吉川が足下の床を叩くと。 「コンコン」 他とは明らかに違う音が響く。 「おい!吉川!今のところもう一度!」 矢崎が耳を済ます。 「コンコン」 「違うよなぁ…」 そう言うと矢崎は自分の足下にある床を叩く。 「ガッガッ!」 乾いたような音しかしなかった。 「よくやった吉川!!」 「え、えぇ…」 「調べてみようぜ!」 矢崎の顔は笑顔でこぼれていた。
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