「監獄」

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「さて、モルモット諸君!働いてもらうよ。楽しい楽しい実験だ…」 そう言うと白衣の男は手元のスイッチを押す。すると、入口の扉のロックが開く。 「今から鬼ごっこをしよう。鬼はXと…」 言い切る前に七海だったサナギから何かが出てくる。 「ギュゥゥゥゥ!!」 鳴き声をあげたその生き物は、禍々しい紫に染まり、鋭い牙と爪、そして、テッシュ箱くらいのサイズのネズミらしき生物が三匹現れた。 「おおっ!誕生の瞬間だよ。鬼ごっこに間に合ってよかった…では、ルールの続きだ。鬼はXと私の可愛いペット…名前はそうだな…X.jrとでも呼んでおこう、私の実験成果…素晴らしいだろ?」 「へ…いかれた発明だな…どうせろくでもないものに使うんだろ?」 気絶していた矢崎が起き上がる。 「いかれた…いや、これは美徳だ。これはまだ実験段階…アヌビスは現在は哺乳類のみ作用される。だが、繁殖過程で操作を加えれば哺乳類以外にも左右するはず!!お前らは、そのためのモルモットなのだよ!!」 「モルモットモルモットうっせぇ…そんなことより、鬼ごっこをしたいんだってな?」 「おっと、そうだったな…すまないすまない。じゃあ、ルールを説明しよう。とは言ってもたった1つだ。この施設から君らが逃げれば君らの勝ちだ。XかX.jrに捕まったら…ゲームオーバー=君らの死だ。簡単だろ?」 「死って…うぅ」 怯える吉川。 「いいだろう。やろうぜ、そのゲーム」 矢崎は本気だった。
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