「監獄」

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「いい返事だ。モルモットならそうこなくてはつまらない...」 「吉川。何が何でも逃げ切るぞ」 「も、もちろんだ。まだ死にたくないからね」 少し怯えているがやる気はあるようで矢崎は少し安心した。 「では、私が60数える。その隙に逃げれるだけ逃げることだ。60数えたら私はXに君らを殺すように命令する。そして、XはX.jrに命令を出し君らを追う。ただし、外へ通じる道は一つだけだ。もし、外へ一歩でも出られたら追撃の中止をXへ命ずるとしよう...ま、せいぜい私を楽しませてくれよ...では、スタートだ...1」 アナウンスと同時に数字を数え始める。 「よし!吉川!ついてこい!!」 手術室の入口へと走り出す矢崎。 「ま、待ってよ!」 慌てて後に続く吉川。 その様子をモニターで白衣の男が眺めていた。 「ふふふ...足掻け、逃げろ、惑え」 紅茶を味わいながら男は呟いた。
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