「再開 part2 」

6/14
前へ
/365ページ
次へ
「にしても、生物兵器だなんて…」 春菜が近くのカートに座る。 「高校で見たミミズの怪物。そして、黎子の親父さんを追いやった怪力の怪物…あれも、あのタケミカツチという男の仕業だというのか…」 秀悟が水を飲みながら呟く。 「だが必ず怪物になるなら、私たちはもうどこにも居場所がなくなってる。現にこの町の人口は殆んどただのゾンビになってる。怪物に遭遇したのは2回だけだ。けど、囚われた桐谷と宮腰は怪物となった…だが、矢崎はただのゾンビになった。一体…」 考え込む黎子。そこに、割り込むように華江が話に入る。 「もしかしたら…町に溢れたウイルスとは違うウイルスが投与されたのではないでしょうか?」 「違うウイルス?」 智也が尋ねる。 「はい。例えば町に溢れたのがAだとします。けど、そのAを元に改良されたのがBというウイルス。Aは怪物へ変化する確率が低いけど、改良したBは怪物へ変化させる確率を上げたものかと…仮定ですけど」 「確かに!だから、町はゾンビだらけなのに、二人は怪物へなったんだ。確率的に低かったものを改良して確率をあげたんだ…生物兵器にするための確率を」 秀悟は思ったよりも大変なことに巻き込まれている。 そう確信した。
/365ページ

最初のコメントを投稿しよう!

107人が本棚に入れています
本棚に追加