「再開 part2 」

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「なぁ?行ってみないか?」 弥彦が呟く。 「行くって?」 黎子が返す。 「矢崎が言ってた研究所とやらに…」 「おいおい!弥彦君、正気か!?」 智也が、有り得ない!って顔をしてる。 「ちょっと!何バカなこと言ってんの!?死にたいわけ!?」 春菜が猛反発する。 「そうだ。今殴り込んでも犬死にするだけだぞ?」 秀悟も反対する。 「俺らがその研究所をぶっ壊さないと日本中、いや、世界中が怪物共でいっぱいになっちまうかもしれない…それと、俺は仕返しをしたいんだよ…あの白衣の野郎に!!」 弥彦が意地になる。 すると、黎子が近より… 「パンッ!!」 何も言わず弥彦の頬をビンタする。 「黎子さん!?」 驚く華江。 「…黎子…何を…」 頬を押さえる弥彦。 「矢崎は好きで死んだのか?私の父さんは誰のために死んだのか?そして、この町の人々は何故死んだのか?なのに、何故私たちは生き延びてる??」 問いかける黎子。 「…」 答えられない弥彦。 「矢崎だって桐谷、吉川、宮腰を白衣の男に殺されて自身もゾンビとなって死んだ。彼は死ぬ前に言ってたよね?まだ遊びたい。と。そして私の父さんは…父さんは私たちを逃すために死んだ。私たちに希望を託して!なのに、お前はその意志を無駄にするのか!?」 一喝する黎子。 「今、私たちがすべきことを考えろ。一人でも多くの生存者を探すことだ。あいつのことを恨むのも分かる…けど、優先順位を考えろ…分かったか?」 「…あぁ、分かった…みんな。すまなかった」 全員に謝る弥彦。 「気にするなよ!弥彦の熱いところ、俺は嫌いじゃない。な?みんな!」 秀悟が尋ねるとみんなは首を縦にふった。 「み、みんな!!嬉しいじゃねぇかよ!!」 弥彦の顔には少し涙が流れていた。 
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