「覚醒」

12/15
前へ
/365ページ
次へ
ロッカー室 「狂犬病みたいな症状…まさか、狩猟で使うこれを使うことになるとは…」 「諏訪山」と書かれたロッカーを開けると、黒いプラスチック性のライフルが立て掛けてあった。 「…麻酔弾を撃ってみるか。警察も何も通じない今はこれしか手段がない」 諏訪山は慣れた手つきで麻酔弾をセットする。 「よし…あと、これは…使わなければいいんだが」 ポケットに実弾を20発ほど入れると、担架で溢れ帰ったエントランスに戻る。 「軽沢さん戻りました!これで…軽沢…さ…」 振り向いた軽沢はもはや人ではなかった。 そして、餓えた顔で諏訪山に襲いかかる。 「畜生!」 麻酔弾を撃つ。脇腹に命中した。 「どうだ?」 だが… 「グウァァァァァ!!」 怯むことなく襲ってくる。 「麻酔が効かないのか!?仕方ない…軽沢さん、ごめんなさい!」 ストックで思いっきり頭を殴る。 「グッ…グブォ…」 軽沢だったものは倒れこんだ。 「…医師として尊敬してました」 一礼すると、諏訪山は実弾を込め、ゾンビで溢れ帰っているであろう病室エリアへと走り出した。
/365ページ

最初のコメントを投稿しよう!

107人が本棚に入れています
本棚に追加