「悲運」

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4人は謎の男の車に乗り込む。 「みんな乗ったようだな…」 年齢は70くらいだが筋骨隆々な腕をしておりたくさんの傷があった。 「けど、ここを放置したら黎子達が危ない」 助手席にいる秀悟が男に呟く。 「大丈夫だ。あんたらがゾンビを殺してくれたおかげで残ってる数もそこまで多くない。だから…こいつで」 男がポーチから楕球体の物体を取り出す。 「これは手榴弾!?」 秀悟が驚くのをよそに男は智也に話しかけていた。 「あんさん…あの車、あんたのかい?」 「あぁ…そうだが…」 「すまんが…使わせてもらうよっ!」 そう言うと男は車の近くに手榴弾を投げる。 そして… 「ドーン!!」 轟音をたて、車が爆発。狭い道は炎の壁にに阻まれた。 「…俺の車が…修理すればまだ使えたのに…」 呆然とする智也。 「車なんてまだありますよ!それに今こうしておかないと…黎子達が…」 炎の壁ができたおかげで追いかけてくるゾンビは炎に包まれ数歩歩いたのちに地面に倒れ込む。 この感じなら500メートル先にある黎子の家まではたどり着けないだろう。 「そういうことだったのか…すまない、助かった」 智也は開き直り、運転手に礼を言った。
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