「悲運」

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秀悟らを乗せた車は数メートル走り、山道へ続く道へ入る。 「あの、ところであなたは?」 秀悟が尋ねる。 「おっと、すまない。自己紹介を忘れてた。俺は熊野秋蔵。一応、猟師をやっている」 熊野と名乗る男は猟師であると呟いた。 「一応?」 この言葉に気になった春菜がツッこむ。 「…ま、俺の家に来れば分かる」 車は山道を10分くらい登ったところで停まった。 「さ、ついたぞ。俺の家だ」 木で作られた時代を感じる一軒家があった。そして、看板には「熊野火薬店」と控えめに看板がぶら下がっていた。 「ここが熊野さんの…」 弥彦が外観を見る。 「ちと、ボロいけどな…ま、入ってくれよ」 熊野が店の中へ秀悟らを案内する。
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