「悲運」

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同時刻 熊野火薬店 地下室 「もちろん、本物じゃ…さては見たことないのかな?」 熊野がからかう。 「いえ、俺はこれを…死んだ自衛隊員の遺物ですが」 制服の裏側から拳銃を取り出す。 「SIGの自衛隊モデルだねぇ…弾丸は残ってるのかな?」 「分かりません…いざって時に撃ってたから…」 「どれどれ…」 熊野が確認する。 だが、マガジンには弾が入っていなかった。 「ありゃりゃ…撃ち尽くしたあとみたいだねぇ…」 マガジンを見せる。 「こいつの弾丸はないんですか?」 「なくはないが…これよりもいい銃がある。だから、そっちに持ち変えるといいよ。さぁさぁ…好きなの持っていってよ。全部は困るけど少しくらいなら持っていってもいいからね」
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