「悲運」

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「…やっぱ、拳銃がしっくりくるな」 秀悟は黒い拳銃を手に取る。 「これはグロック17じゃな…プラスチック性だが威力も耐久力も抜群。それか、ベレッタF92。堅実な性能に定評がある」 熊野が解説する。 「ま、気になるものがあったら、あそこの的で試し撃ちすればいいの。ただ弾丸はあまりないからの…よく考えてくれよ」 「じゃ、俺はこいつとこいつを試し撃ちするよ」 秀悟はグロック17とベレッタF92を選ぶ。 「熊野のじっちゃん!俺はこれにしようかな!」 秀悟が選んだのは木製のライフルと小型の拳銃だった。 「マニアックなものを選ぶのぉ。これはマスケット銃。骨董品じゃが、威力はそれなりにあるはずじゃ。ただ、連発はできんぞ?そのちっこいのは南部十四年式。これも骨董品じゃ…いちおう9mm弾丸を撃てるようにしてるが…性能面は未知数じゃな…」 ホホホと笑う熊野。 「私は…これかな」 少し大きめの拳銃を手に取る。 「コルトガバメントじゃな…威力申し分ないが、女性では扱いが…いや、あのデカイ槍を持ってるくらいじゃし嬢ちゃんなら大丈夫かのぉ」 笑いながら熊野が呟く。 「では、俺はこれで…」 智也はゴツめのリボルバーを手に取る。 「やや!こんなん扱える日本人はわしは見たことないぞ…S&W44…威力は保証するが肩が外れてもわしは保証せんぞ」 半分冗談、半分本気で智也に呟いた。 「大丈夫…これでも腕っぷしには自信があるんでね。さ、試し撃ちだ」 4人はそれぞれ銃を手に取る。
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