「悲運」

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「…熊野さん。お言葉は嬉しいけど…俺等にはやらなきゃならないことがある。そのために危険を侵してでもやらなきゃならないことがあるんです。なので、戻らないと」 秀悟が呟く。 「…そうか。あんさんらがそう言うなら止めやせん」 「なら、熊野さんも来ませんか?」 智也が提案する。 「いや、せっかくのお誘いじゃがわしはここが落ち着く…」 「…そうですか」 「ありがとうな…あんさんら、絶対に死ぬんじゃないよ。困ったことがあったらいつでも戻ってくるんだぞ」 熊野が呟く。その顔はどこか喜びに満ちているようだった。 「はい…そうさせてもらいます」 秀悟が例を言う。 「あと、これは…選別じゃ」 熊野はケースに小型の銃をいくつか無造作に積めた。 「持っていくといい」 「いいんですか!?」 秀悟が呟く。 「言ったじゃろ?わしが持ってても宝の持ち腐れだと…」 「ありがとうございます…」 秀悟がケースを受けとるが… 「重いっ!!」 あまりの重さだった。 慌てて春菜が手を貸す。 「ほほほ。そりゃ、銃じゃしの。では、その仲間が待っているところまで送っていこう」 5人は地下をあとにし、車へ向かった。
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