「悲運」

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「くっ...」 痛みに思わずつかんだ手を離すタケミカツチ。 「さては、この町をこんなんにしたのはお前の仕業なのか!?」 痛みで胸を抱え地面に倒れているタケミカツチに問う。 右手には白金色に塗装されたデザートイーグルが握ってあった。 「くっくっくっ...だとしたらどうすんだよ...」 顔には痛みに苦しむ表情がなくむしろ笑ってさえいた。 「お前を...殺すしかない」 デザートイーグルを頭に向けて構える。 「ふふふ...ハハハハハハハハハハハハハハハ!!僕を殺す?やれるなら...やってみてよ!」 熊野が引き金を引くと同時に体を横に逸らす。 地面が銃弾でめくれあがる。 「なに!?」 突然のことに驚く熊野。 「遅いんだよ...あぁ?」 横を振り向くとそこにはタケミカツチがいた。 しかも、胸にできた傷からはすでに血が止まっていた。 「お前は...何者なんだ!?」 デザートイーグルを連射する。しかし、残像を撃つがごとく全て回避されてしまう。 「当たらないなぁ...伝説の武器商人もたいしたことないな」 にこりと笑いながら背中に回り込む。 「...くそ」 デザートイーグルはすでに弾切れになっていた。 すると、店から誰かが出てくる。 「おやおや...ご苦労であった」 「...」 そこには怪物となった宮越、またの名をXが巨大な機関銃らしきものを背中に背負っていた。
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