「悲運」

25/25
前へ
/365ページ
次へ
「お、お前は...」 異形の姿をしたXを見て恐怖のあまり尻もちをつく熊野。 「あぁ、彼は僕の忠実なる下僕さ。Xという。お見知りおきを」 説明してると、Xがタケミカツチの前で背中に背負った銃らしきものを手渡す。 「おお、これが...思ったよりも軽いな。さすがは伝説の武器商人、熊野重兵衛秋蔵の最高傑作...七十七式義手型機関銃」 そうつぶやくと左腕をつかみ...そして、外した。 「お前...義手だったのか」 熊野がつぶやく。 そうしているうちに左手に先ほどの機関銃をセットする。 「いいぞ...なじむぞ...熊野さん。最高の作品をありがとう。やはり、前金は遠慮なく受け取っておしい。」 にこにこしながらアタッシュケースを茫然としている熊野の前へ放り投げる。 「では、我々はこのへんで...ごきげんよう」 そう言い残すとタケミカツチは乗ってきた軍用ジープに乗りこむ。そして、天井にはXが飛び乗る。 「ははははは...あいつら狂ってやがる...けど、尻を向けたのが...運の尽きだな」 おぼつかない足で車のトランクからRPG7を取り出す。 「終わりだ...くそったれども!」 RPG7を構え、ジープに狙いを定める。ジープは出発しようとしていた。 一方ジープでは。 「さようなら...死神」 運転席にいるタケミカツチが手に持っている赤いスイッチを押す。 「ドカーン!!」 アタッシュケースの中に仕組まれた爆弾が勢いよく爆破する。 熊野は爆破に巻き込まれあっけなく絶命した。肉片を周囲にまきちらしながら。 「さ、目的は達成した。熊野さん。お金はあの世で使ってくれや。じゃ...次はモルモットを狩りに行くか」 狂気的な表情をし、ジープは住宅街へ向かって走って行った。
/365ページ

最初のコメントを投稿しよう!

107人が本棚に入れています
本棚に追加