「狩人」

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「じゃ、開けるぞ...」 弥彦が扉に手をかける。 そして、ひと思いに扉を開ける。 「誰だ!?」 秀悟は先ほど手に入れたベレッタを、黎子は日本刀を抜く態勢をとっていた。 「俺だ...」 そこには、大きな男。学校で離れていた司馬光輝が立っていた。 「司馬!?」 突然の来訪に驚く弥彦。 「司馬君じゃないか...どうして、ここが...明かりだって点いていなかったのに」 黎子が尋ねる。 「車の跡と。それに、あそこで燃えてる車はお前らの仕業だろ?ここいらで派手なことをできるのはお前らくらいだろ?」 淡々と説明していく光輝。 「なるほど...で、ここに何の用なんだ?」 修吾が呟く。 「単刀直入に言う。俺と手を組め」 手を組む。その言葉に秀悟らは目を点にする。 「ちょっと待てよ!あんだけ、かっこつけて「俺は一人だ」だの「誰とも群れない」なんて言ってたくせに突然やってきて「手を組め」だ!?」 怒り気味になる弥彦。 「勘違いするなよ網川。群れはしない、だが、俺にはしなければならないことができた。お前らは知ってるか分らんが白衣を着た男に借りができたからな...」 歯をきしませる光輝。
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