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「それで、白衣の男とどこで接触したんだ?」
秀悟が尋ねる。
「俺の実家だ」
率直に答える光輝。
「実家って…どういうことだよ!?」
弥彦が詰め寄る。
「お袋を…やつに殺された…俺がゾンビ共から逃げ、時に戦い、なんとか家にたどり着いた。けど、そこには白衣を着た男とお袋の変わり果てた姿だけがあった…」
タバコをポケットから取り出し、火を点ける。
「おい!まだ高校生…」
智也が止めようとするが。
「社長…いいんですよ。こんな時にあれこれこだわっちゃいけない…」
秀悟が呟く。
「まぁ、それもそうだな…俺も昔はやってたことだしな。すまなかった、続けてくれ」
照れ臭そうに笑う智也。
「俺は白衣の男に殴りかかった。けど、あいつは痛そうな顔をせずにヘラヘラしてやがった…そんで、一瞬の隙をつかれて…鳩尾を殴られた。まるで、鈍器で殴られたかのような重さだった。今までのチンピラのパンチなんかと比べ物にならないくらい。そして、男は去り際にこう言った…「お前の母は役立たずのモルモットだった…せっかくだ、葬式の時間をやる。せいぜい逃げ回るといい。モルモットよ…」とな」
歯ぎしりをする光輝。
「ひどい…」
華江が呟く。
「お前ほどの人でも潰せなかった…あいつは人間なのか?」
弥彦が呟く。
「それと、もうひとつ。ここに来るまでに何人かのクラスメイトに会った」
光輝がタバコをふかしながら呟く。
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