「狩人」

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「クラスの人と!?」 黎子が呟く。 「そうだ。岡崎、伊東、水城、大代、柴田、蛎崎…けど、みんなここに来る途中で死んじまった…」 床に視線を落とす光輝。 「そんな…」 秀悟らも愕然とする。 「守ろうと思った。だが、ゾンビ共の数には敵わなかった。俺だけが孤軍奮闘しても誰かがいなければ守れるものも守れねぇ。それを実感したんだ…」 「それで、ここに来たと…随分と丸くなったものだな、おい」 弥彦がからかう。 「ただ、勘違いをするな。俺はあくまで白衣の男を潰したい。俺をこんな目に合わせたことと、お袋の仇をとる。そのために、共闘しようというだけのことだ。さっきの話から、お前らだって、あいつらには世話になったようだしな…どうだ?利害としては一致してるはずだが…」 交渉をもちかける光輝。 しばしの沈黙ののち、ついに秀悟が口を開く。
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