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司馬が一時共闘をとり、リビングでは遅い夕食が始まろうとしていた。
「ほい、お待ちどう。卵が上手くくるめなかったが」
黎子が申し訳なさそうに弥彦を見つめる。
「いやいやいや、旨そうだ!!」
弥彦が目をキラキラさせる。
「オムライスか…」
光輝が席に座る。
「しかも、スパイシーな香りしてる…」
春菜がオムライスからスパイシーな香りがするのを感じ取っていた。
「気がつきましたか?この中身はケチャップライスじゃなくて、カレーリゾットなんですよ」
美歌が呟く。
「え?これって…」
秀悟が何て呼んだらいいか戸惑う。
「美歌でいいわ…もう、仲間なんだし。作ったのはこれだけで、ポトフは華江さんが、サラダは黎子さんが。3人で作ったんですよ」
にこりと笑う美歌。
「まるでレストランみたいだ…美歌さんは料理とか得意なのか?」
智也が尋ねる。
「月に1回。近くの津万市で料理教室があって、そこに通ってたんですよ」
「どおりで料理が上手いわけだ…」
納得する秀悟。
「さて、みんな座ったようだし食べようか。秀悟、号令を」
黎子が最後に席に座る。
「じゃ、いただきま…」
秀悟が言い切るより先に弥彦が叫ぶ。
「まーす!!」
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