「狩人」

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夕食は穏やかな空気が流れていた。 美歌の料理は絶賛の嵐で、美歌は少し顔を赤くして照れていた。 そんな中、黎子が秀悟に尋ねる。 「そういえば、家に戻ってくるのが遅かったが…何かあったのか?」 「実は…」 秀悟は全てを話す。熊野に窮地を救われ、彼の店で銃器を調達してきたことを。 「銃!?」 黎子が驚く。 「そうさ!かっちょいいだろ!?」 弥彦が呟く。 「そういえば、壁にたてかけているケースが何かなって思ってたけど…」 華江が呟く。 「そうさ、銃さ…これでゾンビの大群にも対抗できる」 秀悟が呟く。 「…なるほど。とりあえず銃があるのはありがたい」 「お前らも熊野じいさんに会ったのか?」 黙していた光輝が秀悟に尋ねる。 「知ってるのか?」 「そうだ。俺が高校のミミズ野郎と鉢合わせる前に会った。こいつもその時に譲り受けたものだ」 ショートバレルの散弾銃を見せる。 「だからあの時これを…」 納得する弥彦。
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