「覚醒」

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午後6時30分 垣根高校3階 生徒会室 「グスッ…もうダメ、みんな死んじゃった…もう、ダメ。助からないんだ」 垣根高校の制服を着て、眼鏡をかけた女子生徒が部屋の隅で隠れながら泣いていた。 「電話もチャットも何も使えないし、自衛隊の人は何処かへ行っちゃったよ…みんな…大津先輩…嵐川先輩…ぐすっ…」 少女は部屋の隅にある毛布にくるんで泣きながら眠りについた… そして、事件発生から4時間後の午後7時。垣根町は血の海となった。 ゾンビらしきものと僅かな生存者、そして町を壊滅に追いやった謎の存在が共存する地帯となっていた。 それから、30分後。一台のバスが垣根町へと向かっていたのだ。 バスのロゴには「KAKINE HIGH SCHOOL」と塗装されていた。 垣根町がどうなったか知るよしもなく。
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