「狩人」

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午後10時 嵐川家  1階 リビング ベランダを後にした秀悟と春菜はリビングに行く。しかし、そこで一人晩酌を楽しんでいる美歌に絡まれていた。 「ねぇ、ねぇ...お二人さーん、さっき姿なかったけどさぁ、付きあってたりすんのー?」 完全にできあがっている美歌 「い、いや。そんなことないですよ」 否定する秀悟。今は、春菜と付き合っているということは隠しておきたかったのだ。 「そ、そうですよ。私がこんな男とねぇ、ハハハハ」 必死にごまかす春菜。 「じ・ゃ・あ、秀悟君は...」 そういうと顔を近づけ。 「チュッ」 無抵抗で頬にキスをする美歌。 「な、なななななななななーっ!!」 突然のことに驚く春菜。 「え、あ...美歌さん?」 呆然とする秀悟をしり目に美歌が呟く。 「続き、し た い?」 胸の谷間を強調するポーズをとる。 「あ、いえ...その...ですから...つ」 付き合っている。と言おうとするが。 「いやだぁ、照れてるー!かわいーな!」 その前に美歌が頭をポンポンする。 「ぬぬぬぬ!しゅうごぉぉぉぉぉお!」 そんな秀悟の後ろで。春菜が憤怒し、リビングを立ち去ろうとしていた。 「ま、待てって春菜!これは美歌さんがぁぁぁ!」 あわてて追おうとするが、美歌に抱きつかれる。 「ねぇ、待ってよぉ、女の子を一人にさせるのぉ?」 うるんとした表情で秀悟を見つめる。 「秀悟のバカ!知らない!」 春菜が怒り、美歌の視線に秀悟は思わず叫ぶ。 「もう勘弁してくれーーーーーーー!」 同時刻 1階 書斎 光輝は1人書斎で本を読んでいた。「モンドレイ哲学」本のタイトルにはそう書かれていた。 先ほど書斎で手にし 「生きる者は常に希望と絶望を背負い...時を歩む...」 本の1節をおもむろに口に出す光輝。 「...だが、この街には絶望ばかしひしめいている。今あるべき希望は...ここにいる奴らだけだな...」 本を閉じ、座っている椅子から立ち上がる。 「いつ死ぬか分からないけどな...」 こぶしにはメリケンサック、そして、背中にはショートバレルのショットガンを背負い、書斎をあとにした。
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