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リビングで修羅場が起きているとき、黎子は自室にいた。
「ふぅ...今日も動いたな...」
下着を着替えるため、学生服を脱ぎ全裸になる。
背中や腕にはところどころに戦いでついたかすり傷や切り傷が目立つ。
「すぐには消えないか...これでは男に抱いてもらえないな...」
自嘲するように呟く黎子。
そして、下着をとりだし、着替えて制服を着込む。
「明日も傷が増えるのだろうか...できれば、これ以上...増えなければいい」
そう呟くと机の上に立てかけている写真を一目見て、それを伏せた。
「必ずこの悪夢を終わらすから...」
日本刀を手にとると、部屋のノックがする。
「どうぞ」
「失礼します」
華江が入ってくる。
「華江か。もう交代の時間か?」
「はい...今のところ家の周辺に異常はないです」
華江が呟く。
「では、行くか。華江、ゆっくり休んでくれ」
そう言うと部屋をあとにしていく。
同時刻 嵐川家 蔵
「よし...これを、こうしてっと...できたぞ」
智也がお手製の武器を作っていた。
「おお!まるでデ〇ドライ〇ングみたいっすね社長!」
目をキラキラさせる弥彦。
「スーパーで余っている素材やここにある武器の余り物のおかげだ。ほら、島建設特製片刃槍だ」
物干し竿の先に包丁を装着し、側面に鎌を装備している。
「耐久性はあれだが、まぁ、ないよりはマシだよな」
「俺も何か作ってみようかな」
水噴射用のホースとライターを手にする。
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