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同時刻
2階 青柳の間
「zzz…」
戦いからの疲れか、熟睡する華江。
「はぁ...明日もこんな日々が続くのかな」
春菜は一人布団の中に潜り呟いていた。
「こんなところさっさと抜け出してしまいたいや...」
まだ、眠らない。眠りたくても眠れないからだ。
「それに比べて、華江はよく眠れるわね...羨ましい。って」
さりげなく華江を見るが、その寝相に春菜は唖然とする。
「むにゃむにゃ…」
枕が足下にあり、へそと胸が丸出しの状態で大の字で寝ていたからだ。
午後11時40分 庭
「社長。そろそろ休んでは?」
ベランダで見張りをしている黎子が智也に呟く。
「ゾンビやわけの分からない怪物が攻めてくるかもしれない。こいつらを備えるだけでも大分違うだろう。あと、もう少しで…」
嵐川家の入口の門に何かの仕掛けを設置する智也。
「よし、これでゾンビが侵入しても多少は防げよう」
門の上にはいくつかの水風船がネットの上に乗っかっていた。
「それってただの水風船じゃ…」
不思議な感じで見つめる黎子。
「いや、これはただの水風船じゃないよ」
自信ありげに呟く智也。
「ま、社長のことだから何名案だと思うけど…」
引き続き双眼鏡で見張りを続ける黎子。
すると、いくつかの影が近くを走るのを見かける。
「敵?けど、早かった...」
胸騒ぎを感じると共に、日本刀を抜く。
「ガキィィィン!」
日本刀が金属音をたてる。
「この!!」
日本刀にしがみついている何かを壁に向かって放り投げる。
だが、怪物は体勢を立て直し床に着地する。
「…きぃいぃぃぃぃ!」
威嚇する怪物。
見た目はニホンザルだが、牙が鋭くなり、爪は刃物のように鋭利になっていた。
「敵襲だ!!社長!!みんなを」
叫ぶ黎子。
「わかった!」
急いで家へ戻る智也。
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