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タケミカツチと邂逅している頃、先に家を出ていた光輝ら。
すると、近くにタケミカツチが乗っていたジープを見つける。
しかし、鍵が抜かれており、智也が工具でなんとか動かそうと奮闘していた。
「今、家の中から銃声が!」
智也が弥彦の放った銃声に気がつく。
「...交戦してるか」
ジープを背にしつつ戦う光輝。手にはショットガンとリビングに置いてあった小太刀を握っている。
「くっそ...はやくかかれっての」
智也は背中にビールタンクみたいなものを背負いながら必死に車のエンジンをかけようと試行錯誤していた。
「奴らなら問題ない...そんなことより、さっきから背負っているビールタンクみたいなものはなんだ?」
光輝が呟く。
「へ、そのうちに分かるよ」
そのビールタンクのようなものには長いホース、そして、先にはライターとノズルがついている。
「備えておくかな」
何かを感じたのか、一旦作業を中断し先に装着しているライターの火を付ける。
すると、嵐川家を囲う堀の上からサルの怪物が3体飛びかかってくる。
「...くそっ上か!」
ショットガンを構え臨戦態勢をとる光輝。
だが、横から高温の炎がサルに向かって放たれる。
「...ギギギギ」
黒こげになり勢いよく地面に墜落する。
「...失せろ」
とどめといわんばかりに踏みつけて潰す光輝。
「弥彦君、いいセンスをしてるよ。蔵の中にあったホースとノズル。そして、空になったビールタンクと灯油。これで火炎放射機を作るとはね」
感心している智也の顔の横を小太刀が飛ぶ。
「!!」
あわてて後ろを向くと、すぐ後ろに腹に小太刀が刺さって苦しんでいるサルの怪物がジタバタしていた。
「...ぼーっとしてると死ぬぞ。社長」
サルの怪物を踏みつけとどめをさす。
「すまない。助かった。さて、姫を守って…取り残された仲間も助けるとしよう。司馬君、しばらく頼んだよ」
堀には数体のサルの怪物が月に照らされていた。
「...社長、作業を急げ」
光輝はショットガンを構える。そして、堀の上のサルが光輝に飛びかかってくる。
そんな状況でもジープの中では何事もないかのように美歌が寝息を立てていたのは言うまでもない。
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