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玄関正面から左側の廊下にある黎子の私室。
そこには春菜と秀悟、華江がいた。
玄関から機関銃の音が響いていた。
「はぁ、はぁ...やばいわねあいつ」
春菜と華江は息を切らしながら部屋の隅にいた。
「義手が機関銃に...聞いたことも見たこともないですよ…それに、ここ窓はありますけど…木製の格子造りで通れないですよ」
華江が嘆く。
すると機関銃の音が鳴り止む。
「終わった…?」
春菜が呟く。
「...」
秀悟が扉の影で扉越しに耳をたてている。
そして、秀悟が2人に呟く。
「こっちに…来てる」
「...どうするのよ!?」
春菜が叫ぶ。
「やるしかない...」
拳銃を構え秀悟が呟く。
「けど、あいつの左手には機関銃...私たちじゃ...」
行き詰ったような顔をする春菜。すると、ベッドから華江が出てくる。
「あの...先ほど作った試作品があるんですけど...もしかしたら、これでアイツの動きを封じられるかもしれません。その前にこれをつけてください」
そう言うと鞄から何かを取りだす。
「これって...!?」
秀悟が驚いたように呟く。
「サングラスと耳栓じゃない!?」
春菜も呟く。
「いいから早くつけてください!」
呟きながら華江はサングラスと耳栓をつける。2人も耳栓とサングラスをつけると、華江が鞄をごそごそしながら何かを取りだした。
足音は少しずつ近づき、そして、廊下ではついにドアノブに手がかけられた。
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