「狩人」

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「……」 無言のまま秀悟らに近づいてくるX。 「くそっ!こんな時に!」 弥彦が拳銃を構える。 「ええい!邪魔をするな!」 黎子が日本刀を抜き、Xに斬りかかる。 「…キィィン!」 金属と金属がぶつかる音が響く。 「なんだこの爪は…まるで、鋼みたいだな」 刀を押し込むが、Xは右手だけでそれを抑える。 そして、左の爪を引き黎子の腹部に向けて突く。 「...!!...っ!」 体を横に逸らすも、腹部に爪が一本突き刺さる。 そして、腹部に蹴りを入れ、引き離す。 「ぐっ!!」 黎子は吹き飛ばされ、春菜にぶつかる。 「キャッ!」 春菜も衝撃で尻餅をつく。 「く…ガハッ…あいつ、強いな」 黎子は脇腹を押さえ、口から血を吐く。 もちろん腹部からも血が出ている。 「黎子!!」 黎子の肩を支える弥彦。 「不覚だった……私のことはいいから逃げろ…」 なんとか、立ち上がるも痛みで脇腹を押さえている黎子。 「バカを言うな!!俺は戦う!刀がダメならこれで!」 弥彦はマスケット銃を構え。 「この木偶の坊めっ!」 怪物に向けて引き金を引く。
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