「狩人」

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「…」 銃弾はXの腹部に命中した。しかし、大したダメージは負っていないらしい。 「なんだよ…こいつは…」 弥彦は呆然とする。 そんなとき、家の中から甲高い笑い声が響いてきた。 「あいつが!ヤバイよ!」 春菜が秀悟を見つめる。 「四面楚歌ってやつなのか…」 目の前にはX、そして、背後の家からはタケミカツチがこちらに向かってきている。 「まさか…司馬先輩達が先に逃げたとか…」 華江がボソリと呟く。 「あぁ…あり得るかもな…社長と美歌さんは考えられないが司馬の奴なら…しかねない」 弥彦が呟く。 「いや…」 秀悟が否定する。 「その可能性は…ないみたいだぜ!!」 次の瞬間、眩い光が5人を包む。そして、門を目掛けて1台のジープが突撃してくる。 「…!!」 背後に不意打ちを受けたXはジープに跳ねられ門の天井にぶつかり、床に叩きつけられる。 そして、車のウィンドウが開く。 「すまないな!遅くなった!!」 運転席から顔を覗かせる智也と、助手席に光輝。そして、後ろにはスヤスヤと寝ている美歌が乗っていた。
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