「惨劇」

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惨劇から3時間後の午後6時30分 事件があった垣根町へ1台のバスが向かっていた。 「いやぁ、修学旅行は最高だったな!な?秀悟!」 「あ、あぁ。まぁそれなりには」 冴えない返事をする高校生。 赤城秀悟。垣根高校3年生である。 彼女なし、成績平凡だが陸上部では、それなりの成績を残しているようだ。 「んだよ、つれねぇな!あ、ところでどうだった??」 「どうだった…とは?」 「決まってるだろ!春菜との距離!」 秀悟の耳元で呟く男。 網川弥彦。イタズラ好きのムードメーカー。彼女はいないが、非童貞らしい。 「っせぇな…あいつとは、幼馴染みなだけだってーの」 膨れた感じで返す秀悟。 「まーたまた!とか言いながら、初めての相手は春菜がいいー!とか寝言で…ウガァ!!」 ニコニコしながら秀悟は弥彦を羽交い締めにした。 「もうすぐ、到着するぞ。忘れ物のないように仕度しろ」 眼鏡をかけた中年の担任が知らせる。 この時はまだ修学旅行の帰り…だった。
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