「白壁」

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「だけど、このままじゃ...せめて治療くらいできないかな」 華江がホールで呟いていると。 廊下から足音が聞こえる。 「...しっ!!誰か来る!」 ベンチに隠れる4人。 「カツ...カツ...カツ」 廊下とホールに足音が響く。 「まさか、またあいつ!?」 華江が小声で呟く。 「たった短時間で来れるか!?」 社長が呟く。 「へ...あいつなら...きそうだけど...」 黎子が息を切らしながら呟く。 「医者の生き残りとか...」 美歌が呟く。 「この状況下だからな...」 あまり期待はしていない智也。 そうしているうちにも足音はホールに着く。 「...」 黙る4人。 そして、足音はホールで止まる。 と、思ったら今度は智也達が隠れているベンチに向かってくる。 「...ちくしょ!やるしかない!」 ベンチから出て、リボルバーをその足跡の主に構える。 「ちょ!!待て待て!!俺は人間だよ!!」 懐中電灯をもち、血にまみれた白衣を着た若い男性が両手を挙げていた。
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