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2時間後
手術中のランプが消えた。
そして、手術室の扉が開く。
そこから担架に寝かされている黎子と巧が出てくる。
「先生!」
美歌が巧に近寄る。
マスクと帽子を外し、にこりと微笑み、こう呟く。
「大丈夫ですよ。無事に終わりましたよ」
「…よかった」
安心する一同。
「少し安静すればよくなります。血液検査をしたところウィルスの検出もなかったので
…」
巧が冷静に説明する。
「黎子…よかった…」
そっと呟く秀悟。
「あ、申し遅れました。僕はここの医者をしている諏訪山巧と言います。以後、お見知りおきを」
後から来た3人におじぎをする。それに秀悟らもおじぎを返す。
「さて、病室の方へ運びます。みなさんも一緒に…」
病室へ担架を運んでいく。すると、春菜があることに気がつく。
「そういえば司馬君がいない…」
春菜の一言で秀悟が後ろを振り向く。しかし、そこには光輝の姿はなかった。
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