「白壁」

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「ガラガラガラ」 特別室の扉が開く。 「あ、先生、何処かへ行くんですか?」 部屋のを前で見張りをしていた、秀悟が巧に話しかける。 「あぁ、少し研究したいことがある。君らも疲れてるなら早く休んだ方がいい」 「けど、先生も休まないと。手術もしたばかりなんだし」 春菜が心配そうに声をかける。 「ありがとう。えっと…2人の名前は…」 「俺は赤城秀悟です」 「私は大津春菜よ」 「ありがとう。秀悟君、春菜さん。けど、こういうの慣れてるから大丈夫さ。昔研修で世話になった大学病院に比べたらどうってことはない」 そういうと、暗い廊下を歩き始める。 「わかりました…僕らはここにいるので何かあったら戻ってきてください」 秀悟が呟くと、右手をあげ、何処かへ向かう。 「それにしても、司馬はどこへ…」 秀悟は光輝の行方が気になっていた。 確かに彼は一匹狼だ。それでも、今は俺らの仲間だ。何かがあってからは遅い。 秀悟はそう考えていたのだ。
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