「白壁」

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2階 廊下 「春菜、疲れただろ?先に休んでも大丈夫だよ」 秀悟が春菜に呟く。 「ううん、大丈夫だよ、ありがと…秀悟こそ先に休んでもいいんだよ?」 そっと秀悟の肩に寄り添う春菜。 「ありがとう。だけど、まだ交代の時間じゃないから」 寄り添ってきた春菜の髪を優しく撫でる。 「えへへ…じゃあ、2人でもう少しがんばろ?」 髪をなでられ頬を紅く染める春菜。 「そうだな…」 秀悟が呟くと廊下から足音が聞こえる。 「先生かな?」 肩に寄り添っていた春菜が慌てて離れる。 「いや、司馬かも。ちょっと見てくる」 足音の方へ歩を進める秀悟。 しかし、足音の主はすぐに判明した。 「…赤城」 司馬が何事もなかったかのようにこちらへ向かっていた。 「司馬…今までどこに…」 司馬と分かると春菜も合流する。 「病院内を調べていた。使えそうなものもとりあえずかっさらってきた」 そう言うと、どこかで調達したであろう大きなボストンバックを見せる。 「細かいことは、みんなと合流してからだ。委員長はどこにいる?」 そう光輝が聞くと、秀悟は何も言わず黎子らがいる特別室へ案内した。
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