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病院 屋上
「はぁ...はぁ...」
拘束具をつけた怪物に追われる巧。
攻撃は見切れるが、ライフルで攻撃しても怯みを見せない。
「...」
無言のまま、こちらに向かってくる怪物。
あいかわらず、顔があったところからは触手が出ている。
「くそ...秀悟君らは、まだ気を失ってるようだし...弾も残り1発しかない...」
途方に暮れる巧。
空は青く澄んでいる。すると、雲に隠れていた太陽が顔を出す。
「ぬ!まぶし!」
太陽の光に思わず顔を腕で隠す。
すると、目の前の怪物が何か苦しそうにもがいていた。
「...!!!!」
じたばたと地面を転げる怪物。
「どういうことだ...」
巧がよくよく観察すると怪物から煙が出ている。
そう、先ほど秀悟と春菜が日本刀で傷を付けた部位からだ。
「こいつ...日光でダメージ...そうか!!紫外線に弱いのか!!そして、こいつが身につけている拘束具とジャケットは紫外線を封じるためのもの...だったら」
渾身の力を振り絞り、巧は倒れている秀悟の側にある日本刀を手にとり、怪物に突き刺す。
「!!」
怪物はのたうち回る。
「まだだ!!」
突き刺した日本刀を抜き、突き刺した部分を両手で掴み...
「ビリリッ!!」
紫外線をカットしていると思われるジャケットを切り裂く。
「.....!!!!!!!」
怪物の体からものすごい量の煙が立ち上がる。
怪物はじたばたしながら苦しんでいた。
「はぁ...はぁ...紫外線が弱点とは...しかし、手ごわい奴だった」
疲れからから思わず、床に座り込む巧。
すると、後ろから声がする。
「せ、先生...」
頭を押さえた秀悟、そして、肩をぽきぽきを鳴らす光輝がいた。
「よかった...怪我はないかい?」
「俺は、平気です。それなんかより春菜を...」
少しふらふらしている秀悟。
「おいおい!今は動かないほうがいい。少し休んでいこう」
前倒れになる秀悟を慌てて支える巧。
「あの...変態野郎は...」
光輝が呟く。
「奴なら上手に焼けましたよ」
ニコリとしながら怪物の死骸を向く。
そこには黒こげになった怪物の死骸が横になっていた。
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