「惨劇」

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午後6時45分 垣根高校1階 「おかしい…まだ、部活の片付けなどをやってるはずですが」 担任の細川は様子がおかしい校内を見つつも職員室に向かっていた。 「にしても、あちこち散らかってる…おまけに教室に椅子とか積んで…また2年生の不良グループの仕業ですかな」 少し腹を立てつつも職員室に到着する。 「細川です。今、修学旅行から戻りました。」 しかし、職員室には誰もいない。 「んー?」 疑問に思っていると。 「ガタッ!」 奥の客間から音がする。 「誰かいるんですか?田宮先生?それとも、隠岐沼教頭?」 客間に近づき、ゆっくりとドアを開ける。 「…」 中央のソファでスーツを着た男とジャージを着た男が下をうつ向いている。 「これはこれは…大貫先生に武田先生…2年2組担任、細川戻りました…」 しかし、声をかけても反応がない。 「お二人とも!戻ったと言っているでしょ!」 無視されたと思い、二人に近づく細川。 「大貫先生、武田先生しっかり…ひて…」 細川は真っ青になった。 二人はうつ向いていたのではなく、骨が見えた手首と足の一部を血まみれになりながら食べていたからだ。 「ウガァァ…」 細川の気配に気がついたのか、二人はゆっくりと立ち上がり近づく。 「お、大貫先生、武田先生、な、何かのサプライズですかな?ハハハ、そんな冗談は結構ですよ…」 後ずさりする細川だったが。 「ズテン!」 「ぐっ!ってて…」 足下にあったモップに足を取られて転んでしまった。 「ウガァァ…アアア…」 倒れこんだ細川を二人が襲う。 「ま、待て…話せばわか…アァァァァァ!!」 職員室に悲鳴が響きわたり、数分後、細川はソレとなって動き始めた。
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