「試練」

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その頃、病院に向かって一台のジープが向かっていた。 「変な叫び声と、絶命したゾンビの復活...一体何が...」 ジープを運転している男性。緑色のヘルメットと迷彩服。肩には機関銃を背負っていた。 「ドーン!!」 ジープが揺れる。前方のゾンビを跳ね飛ばしたのだろう。 「謎の叫び声はこの先の病院から聞こえた。おそらく、その叫び声が原因だろう...真相を探らねば」 男はジープのアクセルを全開にし、病院へ急いだ。 2階 特別室前 「はぁ...はぁ...これで...ラスト!! 華江が息を切らしながら、点滴スタンドをゾンビの頭に振りかざす。 「アァァァァァ...」 ゾンビは頭から血を流し、絶命した。 「ナイスヒット!!」 弾丸をリロードしていた智也が呟く。 「なんとか...終わりました」 くたくたになりながらも特別室を死守した2人。 すると、廊下の奥の方からゾンビの声がする。 「まだいるのか!?」 やれやれって顔をする智也。 「えぇっ!?もう疲れた...」 その場にしゃがみ込む華江。 「そこにいろ、俺が見てくる」 足早に声のする方へ向かう智也。 そこにはゾンビが1体立っていた 「この!!」 リボルバーを放とうとする。 が、その前にゾンビが前のめりに倒れる。 「...へ?」 突然のことに拍子抜けする智也。 頭が割られているのか、血を噴き出している。 そして、ゾンビの後ろには男が一人立っていた。 「...これでラストのようだな」 そこにはショットガンを握っている光輝がいた。 「司馬君か...あれ?秀悟君達は?」 「奴らなら直ぐに来る。俺は玄関付近でゾンビの侵入がないか見てくる」 そう言い残すと階段を下に向かって降りていく。 そして、すぐに。 「はぁ...はぁ...」 息を切らしながら、巧と弥彦。そして、春菜を背負った秀悟が降りてきた。 「し、社長。いいこと...聞けました」 秀悟はにこりとしながら呟くと、その場に倒れこんだ。 「おい!!秀悟君?」 突然の出来事に慌てる智也。 「たぶん、戦闘の疲労がまだ残っているんでしょう。えっと...島さんでしたっけ?彼を運んでくれますか?」 巧が智也にお願いする。 「もちろんだ。弥彦、お前は春菜を」 リボルバーを工具入れにしまう。 「へっ、もちろんだ」 ガッツポーズをする弥彦であった。
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