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1階 受付ホール
「アァァァァァ!」
ゾンビがホール内に侵入していた。
「おらぁ!!」
それを光輝はまるで喧嘩を楽しむかのように叩きのめしていた。
メリケンサック、小太刀、そして、圧倒的な腕力で歩く屍を屍へと変えていった。
「アァァァァァ!」
ゾンビが玄関からぞろぞろと入ってくる。
その様子を見て、光輝は近くに放置していた長椅子を軽々持ち上げると。
「邪魔だ!!」
ゾンビの集団めがけて持ち上げた長椅子を投げつける。
ゾンビの集団はドミノ式に倒れていく。それでも、数は減る様子がなかった。
「…」
光輝は考える。
幼い頃に両親が離婚し、母の手ひとつで育てられてきたこと。
物覚えがよく、小学1年生で二次関数を理解する程の秀才。
先生からは、東大にも入学できるレベルであると言われ、周囲からの期待も大きかった。
だが、彼はそんなものに興味はなかった。ただ、気になったものを探求する。
それだけで満足だった。
中学に入り、空手を習い始める。素質があったのか、みるみるうちに上達し1年生ながらレギュラーに抜擢された。
しかし、事件が起きる。3年生の時、町でチンピラに絡まれた際に返り討ちといわんばかりに半殺しにした。そのうちの1人を意識不明の重体にまで追い込んでしまった。
それから、彼の人生は変わった。
その一件で前の町にはいられなくなり、高校入学と同時に現在の垣根町に引っ越してきた。
そして、彼は孤独になった。母はスナックで働き、夜には家にいない。
友人は作らなかった。根暗と思われ、上級生に喧嘩を売られたこともある。
だが、返り討ちにした。彼の名はまたたくまに広がり、いつの間にか高校一の不良となっていた。「司馬さん」「お頭」彼を慕う者は多かった。それでも、彼は自ら拳は振るうことはなく、あくまで好きなことを追求し始めた。図書室で本を漁る、そのために授業を休むことが多かったが、先生方には不良の頭。ということでサボりと言われることがあった。
孤独の渦中で彼はずっと考えていた
「力とは何のためにあるのか」
そして、事件、母の死、今ゾンビと対峙している時に、ついに答えを導き出そうとしていた。
「俺の…楽しみと日常を…」
拳を振りかざしゾンビに向けて振りかざす。
「奪う者を葬る!!」
ゾンビの顔面は陥没し玄関のドアに叩き付けられる。
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