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「はぁ…はぁ…」
光輝の息はあがっていた。
院内の復活したゾンビは彼が全て葬ったのだ。制服は血にまみれ、拳は真っ赤に染まっていた。
「…アァァァ…」
しかし、駐車場、いや、町中からかもしれない。
玄関の方にはゾンビがひしめいていた。
「ふんっ…お前ごとき…」
光輝は立ち上がる。しかし、激戦で彼の足はもつれ、フラフラしていた。
「くそ…まだだ!!」
自分の心へ喝をいれるが、体は応えない。
そして、ふらついて倒れてしまう。
「…ハァ…ハァ」
倒れてる光輝にゾンビがゆっくりと着実に向かってくる。
「…こんなところで」
光輝は目をつぶった。
殺られる覚悟の男が微かに見せた涙。
ゾンビが光輝のすぐ側に近寄る。
だが、神は彼を救った。
「ガシャァァァン!!」
轟音と共に勢い良く1台の軍用ジープが突入してくる。
ゾンビは吹き飛ばされる。
そして、ジープが止まると男が降りてくる。
「…」
光輝は何が起こったのか理解できずにいた。
同時に後ろから聞きなれた声が響く。
「司馬!!」
秀悟を筆頭に、弥彦、春菜、智也、美歌、華恵、そして、日本刀を構える黎子がいたのだ。
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