「試練」

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2階 研究室 「!!...どういうことだ...」 顕微鏡を覗きながら巧が呟く。 彼が覗いていたのは先ほど屋上で対峙した怪物の肉片。 顕微鏡の中には黒い糸状の生物が僅かながら生きていた。 「こいつは太陽光。つまり、紫外線を浴びたら死んだ。だが、刀で急所を突いたくらいでは死ななかった...もしや」 そう言うと、生きている部分をメスで突いた。 すると、確かに生物は分離した。だが、死んではいなかった。 分離したところから新たな生物が枝状に現れ、何事もなかったかのように結合したのだ。 「自己再生...そんな技術をどうやって...」 現代医療でも簡単に扱えない自己再生技術を持った生物。 「そして、声帯...ここから放たれた咆哮で死んだはずのゾンビが蘇生した。もしかしたら、死滅した細胞を活性化させるものなのか...だが、原理が分からない」 聞いたことも見たこともない事象に考え込む巧。すると、研究室の扉が慌ただしく開く。 「先生!!司馬の奴が!!」 振り向くと、気を失っている光輝を支えている美歌と弥彦がいた。 「どうしたんだ?」 冷静に対応する巧。 「こいつ、無茶して力尽きちまったんですよ...大丈夫だと思うけど一応な」 弥彦が状況を説明していく。 「なるほど。彼はもしかしたら全てを読んでいて...とりあえず、隣の休憩室へ運ぼう」 巧は光輝が自分が仮定した事象を屋上で全て悟っている。そう確信した。
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