「試練」

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1階 受付ホール ゾンビもあらかた片付き始める。すると、黎子の家で対峙した猿の怪物がところどころに現れてきた。 「気をつけろ!!猿の怪物がいるぞ!!」 黎子が大きな声で叫ぶ。 「キィィィィィィィイ!!」 猿の怪物が秀悟に飛びかかる。 「お前の動きなんて...」 ハンドガンを冷静に構え... 「もう、見え見えなんだよ!」 引き金を引く。 そして、放たれた弾丸は猿の怪物の頭を貫いた。 「邪魔だ!!」 黎子も薙刀で付近のゾンビごと一刀両断する。 「後は、これを混ぜて...」 華江が物陰で薬品を調合していると、植木鉢の上に何かの気配を感じて上を見上げる。 「キィィィィィィィィィイ!」 猿の怪物がおぞましい口を開けて威嚇していたのだ。 「ひゃっ!!」 突然の襲来に腰を抜かす、そして、猿の怪物が飛びかかる姿勢をとる。 「そうだ、銃だ...って、ない!?」 腰にしまっていたはずの銃がなくなっていた。 「キィイ!!」 それを待っていたかのように華江に飛びかかる。 「キャア!!」 腕で顔面を塞ぐ。もうダメだ。すると 「ドサッ」何かが落ちる音がする。 「へ?」 恐る恐る目を開けると猿の怪物が目の前で、のたうちまわっていた。 それを踏みつけて、リボルバーを放ち止めをさす。 「大丈夫か?もうひとふんばりだ。油断せず行くぞ!!ほれ」 華江に銃を差し出し、呟く。 「落とし物には気をつけろよな」 智也が呟く。 「..はいっ!!」 華江が笑顔を見せると銃を受け取った。
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