「作戦」

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午後4時 陸上自衛隊隊員の三和と合流し、2階に戻る。 特別室はゾンビの復活などで荒れてしまったので、場所を研究室隣の応接室と、ナースステーションを拠点にした。そして、一同は今、研究室横の応接室に集まっていた。 「なるほど、残存武器はこれだけか。これでは篭城は厳しいだろう。食料も、もってあと3日というところだろう」 各々が所持している武器と残存の食料を調整しているが、秀悟らの武器、食料共に残り僅かというところまで追いつめられていたのだ。 「たったこれだけなんて…」 華江が呟く。 「じゃあ、どうすんだよ!?町に戻って買い出しでもすんのか!?」 弥彦が叫ぶ。 「無謀だ。町もどういう訳かゾンビが次々と復活している。それに、変異体か何か知らないが巨大生物も増えている」 三和がぼそりと呟く。 「おいおい、あんな訳の分からない連中がゴロゴロいるのか…」 弥彦の顔が青くなる。 「医薬品も残りすくない。大怪我なんてしたら、いくら僕でも助けられるかどうか」 巧の顔が曇る。 「つまり、事実上残された時間は3日間。それまでに脱出しなければ飢え死にかゾンビの餌か…怪物の玩具にされて死ぬかのどれかだ…あくまで推定だがな」 三和が呟く。 「けど、父さんが言ってたように町から出る唯一の道路が封鎖されているんじゃ…」 黎子が呟く。 「それは本当だ。何者の仕業か分からないが大規模な土砂崩れが起きている」 「じゃあ、どうするってんだよ!?山から脱出すんのか!?」 智也が三和に呟く。 「…いや、それよりも効率のいい方法がある」 少し間を空け、三和が呟く。 「非常用無線で救援を呼ぶ」
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