「作戦」

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「しかし、非常用無線なんてどこに?それに、どういうわけかスマホすら原因不明の症状で使えないんだ...」 秀悟はスマホの画面を三和に見せる。 スマホの電波は一本すら立っていなかった。 「これは、ジャミングだな。おそらくこの事件の主犯がばらまいたんだろう」 三和が呟く。 「じゃあ、無線とか何も使えないんじゃないの!?」 美歌が反論する。 「いや...使える可能性があるところがあります...」 華江が呟く。 「この町全体に影響を及ぼす程のジャミングだぞ?」 智也が呟く。 「考えてみてください。電子機器に影響を及ぼすのならどうして、タケミカツチは小型ヘリで私たちのところへ来れたのか...」 確かに小型ヘリはモーター、一応電子機器である。それに、ホログラフィーだって電子機器だ。このジャミングの中、どうやって動かしたのか。華江はそこに着目したのだ。 「察しがいいな。そう、その男...タケミカツチと言ったか。主犯はそいつで間違いないだろう。実は、俺は部隊の壊滅後、単独で町を捜索していた。その時、偶然にも奴を見つけた。奴は無線機で誰かと話していた。つまり、奴はジャミング対策をしているということになる。これで分かっただろ?」 三和が分かりきったような顔をする。 「んー...分からねぇ」 弥彦が舌を出す。 「...」 返す言葉が出てこない三和。 「ホント馬鹿...つまりね...」 春菜が呟く前に華江が呟く。 「敵のアジトに乗り込めば、非常用無線があって、外部と連絡が取れるかも。って言ってるんです!!」 華江がキリっとした表情で呟く。
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