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5月21日 午後5時
北海道の某地下施設
ランプがひとつだけ灯った部屋に数人の人影が映る。
??「タケミカツチの処分。異論はないかしら?」
姿は分からないがシルエットと声的には髪が長い女性であるということだけが分かる。
そして、続けざまに。
??「あいつは同志を見殺しにし自身の野望の赴くがままに走った。結果として発生した垣根ラボのウィルス流出も彼の仕業。自業自得ですな」
声が低い男性が話す。うっすらと白衣が見える。
??「トコタチ殿の言うとおりかと思います。彼は裁かれて当然の男」
幼い女の子の声で話す。
??「へ、垣根町は今頃地獄絵図だろうな。国道もおいらが爆発して塞いでおいたからな。逃げたくても逃げられないよー」
若い男性の声が響く。
??「アマツカミ、言ウトオリ。ミンナ運、悪カッタネ」
少し片言の日本語で話す女性。
??「というか、あの腐れインテリ野郎は死んだんじゃね?あん?」
不良みたいな口調で話す男性。
??「あいつは簡単に死なんよ。だからこそ、スサノオ総帥が直々に潜入して処分すると言ったのだよ。それくらい猿頭の君でも分かるだろう?」
白衣の男が呟く。
??「へいへい。ったく、これだからインテリは...」
不良口調の男が軽く流す。
??「とりあえず、最終警告を無視したということで処分は確定ね。次の定期連絡の時に私から伝えるわ。けど、スサノオ総帥からの定期連絡は来ていない。もう少し待ちましょう」
最初に話した長髪の女性の口元が微かに上へつり上がった。
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