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そして、秀悟。彼はイロイロと考えてきた。
同級生の死。変わり果てた街。そして、春菜と仲間の存在。
改めて大きい存在と理解していた彼は病室で悩んでいた。
もし、明日の戦いで誰かが死んだら?自分が死んでしまったら?
今の彼にとっては仲間の存在は足かせになっていたのだ。
そんな時、病室に誰かが入ってくる。
「秀悟、こんなとこにいたんだ。どうしたの?そんな顔をして」
事情を察するかのように春菜が呟く。
「春菜...俺はどうすればいいんだろうか。タケミカツチのような奴に勝てるのだろうか?それにゾンビや怪物達だっているに違いない。もし、誰かが死んじゃったら...」
思いの内を春菜に話す。
「私だって...怖いよ?だけど、前に進まなきゃならないことだってある。それが今だってこと。それに、みんな大丈夫だよ。だってここまで殆ど何事もなくすごしてきたんだから!」
ニコリとする春菜。
「戦いなら黎子や司馬君、自衛隊の三和さんだっているのよ?先生だっている。それにさ、秀悟の側には...」
顔を赤くしつつ秀悟の手を握る春菜。
「私だっているんだから!!私が支えてるんだから、皆を支えなさいよ!!」
きりっとした口調で春菜が激励する。
「...ありがとう春菜。そうだよな、明日の戦い、全てを終えないとな。じゃないと約束も守れないしな」
そう言うと春菜を抱きしめる秀悟。
「...馬鹿秀悟」
春菜も秀悟を抱きしめる。
すると扉が開く。
「え?」
扉を開けたのは華江だった。
きょとんとする3人。
「あ、いや...これはその...違うのよ!秀悟の背中に誰かがガムテープを貼っていたから剥がそうとしてさ、あははははは」
慌ててごまかす春菜。
「あ、その...お邪魔しましたっ!!」
ダッシュで病室を後にする華江。
「ち、違うから!!華江待ちなさい!!」
すかさず後を追いかける春菜。
「あの2人は大丈夫そうだな」
フッと笑うと秀悟は冷蔵庫に入れいているコーラを一本取り出した。
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