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午後10時 山中の実験施設
「ふふふ。楽しくなりそうだな」
タケミカツチは1人イスに座りピザを食べていた。
「もう少しで究極の生命体。そう。新しい人類の頂点に君臨する生物が誕生する。今の腐れきった人間は駆逐されるべきなのだ...」
そう言うと手元のスイッチを押した
「ゴボボボボボボ...」
後ろの水槽の水が少しずつ抜けていく。
「あぁ...いい眺めだ。美しい...惚れ惚れするな」
水槽の中には透明状の生物が眠っていた。
「目覚めるのに少し時間がかかりそうだ。連日、睡眠もとってなかったし僕も少し寝るとしようか」
タケミカツチは余裕な顔をしつつ目を閉じた。
水槽に入っている生物は確かに目を閉じていた。だが、透明な体に光る朱色の器官はゆっくりと。そして、着実に鼓動を鳴らしていた。
まるで、この世の終焉を待つかのように。
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